新人の教育方法について、私の思う教育・指導方法を解説していきます。
十数年介護施設で働き、多数の新人を指導して参りました。その中で自分の感じたことやしておけば良かったなぁと思った事を解説しています。
介護業界に限らず、どの業界においても新人の教育というのは難しく、上手く出来ないということが多々あります。
結論から申しますと、初めが肝心です。途中で軌道修正するのはとても難しいです。というか無理かもしれません。
どうにもならなくなる前に指導や教育をしておく必要があります。それを怠ると、新人が育たずそのつけが自分に回ってきます。そして利用者様に不憫な生活を提供することになりかねません。
会社の為に自分の為に利用者様の為に、新人を指導・教育していきましょう。
仲良くなりすぎない
初めのうちは必要以上に仲良くならないことをオススメいたします。
仲良くなりすぎるとどういう事が起こるのでしょうか?
・言いたいことが言えなくなる
・許してしまう
ということが起きてしまいます。
・言いたいことが言えなくなる。
どういう事かというと、注意しなければいけないことや教えなければいけないことが疎かになってしまいます。最悪、教える前に自分が部下の仕事をしてしまいます。
言わなければいけないことを言わずに自分がしてしまうという現象が起こります。
何故、そのような現象が起こるのでしょうか?
仲良くなりすぎると、嫌われたくなくなるからです。一線を引けなくなります。注意しなければいけないのに注意すると嫌われてしまうのではないかという感情が生まれてくるのです。
そうなったら、何も言えなくなります。そして行って欲しい仕事を自分がしてしまいます。この時点でもう時すでに遅しとなっています。
・許してしまう。
新人が何かミスをしてしまったとします。先程も書きましたが、ミスをしても言いたいことが言えなくなるのです。注意出来ないということです。
注意出来ないと、また同じミスを繰り返します。それで良いと思っているのですから当たり前です。そしてミスを補うのはそうです上司のあなたなのです。
許すというのは、新人から見れば「それで良い」ということになります。それでは部下の為になりません。施設の為になりません。そして利用者様の為にもならないのです。
指導方法
指導方法は当然こうなります。
仲良くなりすぎない。それにつきます。
メリハリを付けて下さい。とは言っても雑談は大いに結構です。楽しく仕事をするのはとても良い事です。ストレス解消にもなります。
しかし、1つ大切な事があります。プライベートと仕事は別にすることです。
例えば、プライベートで2人で一緒に遊びに行ったり、2人で飲みに行ったりすることはオススメいたしません。一線を引くことが難しくなります。
初めのうちは仕事場だけの仲にした方が良いです。プライベートで会うと友達感覚に陥ります。当然、息抜きに飲みに行こうという話しになることはありますが、そういう時は多数の職員を誘い飲みに行くようにいたしましょう。
二人きりでプライベートで会って話しをすると情がわいてしまいます。友達になったような感覚に陥ります。
少なくても、新人と呼ばれている間はプライベートで会うのは控えた方が良いのではないかと思います。仕事とプラーベートの線引きが完璧にできる方なら何ら問題はありません。
そして相談に乗るときは社内で話したり電話で話すようにした方が良いでしょう。
上司は試されている
上司は新人を見ています。それと同じく新人も上司をよく観察しています。
何故観察しているのでしょうか?
仕事ぶりを見ている?技術を盗もうとしている?仕事の段取りを覚えようとしている?
仕事を覚える上でとても大事な事です。そういう新人の方がいればとても関心ですね。しかしそうではない方も中にはいらっしゃいます。
ここまでは怒られない、これ以上したら怒られる、こうしたら誤魔化せる。そういう事の線引きを行う為に観察している新人さんもいます。
あれ?怒られないぞ・・・
今度からも手を抜いていこう!
注意されないんだと思われたら終わりです。しっかりと教えなければいけないことは教えておきましょう。
介護業界は人材不足です。注意して辞められたら困るから注意や指導をしない、したくないと思われる方もいらっしゃいます。
それでは負のスパイラルです。みんなが育たず、利用者様にとって居心地の悪い介護施設になるでしょう。それだけは避けなければいけません。
間違えなく言えることは、上司は試されているのです。間違いなく試されています。このことを忘れずに指導・教育を行っていきましょう。
指導方法
初めは基本に忠実に、細かいことでも指導して下さい。「これぐらいはいいや」と思わない事です。いつも試されているという気持ちで指導や教育を行って下さい。
隠れて手を抜いている方もいます。そうなる前に、手を打っていく必要があります。して当然という事を身体に染みこませれば勝手に身体が動きます。
初めに身体に染みこませてないと、それ以降は手を抜き、言い訳をし、サボるようになりかねません。
基本的なことを年月が経ってから教えようとすると、面倒臭いという気持ちが働きます。自我が出てきて覚えようともしません。新鮮な気持ちの時期に覚えてもらいましょう。
当たり前の事を当たり前に行えるように最低限のラインの底上げをしましょう。
人間は自分の中で、自分で線引きをしてしまいます。その線引きを出来るだけ引き上げることができれば当たり前の事を当たり前に行うことができます。
みんなで協力する
大切なのは1人で抱え込まず他の職員に協力してもらうことです。1人で複数人を何時間も指導することには無理があります。身体は1つしかありません。頼る事も大事です。
みんなで協力することは介護職の基本です。指導することも一緒です。独りよがりではいけません。自分には持っていないアイデアや間違っていることに対する意見などを共有できます。
自分が、自分が、と思わないようにしましょう。
1人で抱え込むとストレスや不満ばかりが出てきます。そうしている内に、知らず知らずに感情的になっていきます。
感情的になるということは自分の感情をコントロール出来なくなっているということなのです。それを自分が気づけばよいのですが、気づかないまま指導を行っていると誰もついてこなくなるでしょう。
精神が安定していないのですから当たり前の結果ですね。
そうなる前にみんなで協力して指導・教育を行っていきましょう。
指導方法
みんなで教育や指導するということは、信頼できる人を集めなければいけません。同じ志を持った方を探す必要があります。
同じ目標に向かっていく同士がいないことには、みんなで指導することはできません。
そういう人を探すのには、見極める能力が必要となります。そういう能力を養っていく必要があるのです。
仕事に集中して周りをいつも見ていれば、そういう能力は自ずと付いてきます。見極める事はできます。
信頼できる人が見つかれば協力してくれるはずです。協力してくれなければ同じ志ではなかったということです。
無理に探さなくても、自然に見つかるものです。長く一緒に働いていれば考えも分かってきます。重要な事は、いつも見ておくということです。意識的に見てみましょう。
思考停止にならず、考えながら接していきましょう。
そして、サボることを加担する人が必ず存在いたします。そういう人が部下なら手は打てますが、上司が加担する場合には注意が必要です。
上司が加担するということは、施設の組織自体がそうなっている場合があるのです。そういう組織に身を置いておく必要はありません。さっさと転職することをオススメします。
まとめ
・仲良くなりすぎない
・上司は試されている
・みんなで協力する
3つをテーマで解説いたしました。
新人さんを指導・教育する場合には、手遅れにならないことがとても重要です。手を抜くことが体に染みつくと軌道修正は難しくなるでしょう。そうなる前に手を打っておきましょう。
何の為に指導や教育を行うのかを考えましょう。施設の為、指導する自分の為、何よりも利用者様の為に仕事を覚えてもらうのです。
自分や家族の為に収入を得て働かなくてはいけません。
施設が運営できなければ働く場所がありません。
利用者様が心地よく安心して住むことができるようにしなければいけません。
指導や教育を疎かにしている介護施設に明るい未来はありません。
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