介護士と看護師は仲が悪いと良く言われています。
本当に悪いのでしょうか?実際に働いてみるとよく分かるのですが仲が悪い介護施設はあります。全てではないにしろ事実として仲が悪い施設はあります。
ツイッターなどのSNSでもよくつぶやかれているので、少なからずあります。
では、何故介護士と看護師は仲が悪いのか?原因と対策を解説していきたいと思います。理由もなしに仲が悪いことはありえません。ただ仲が悪いと思っているだけでは何の解決にも繋がりません。しっかりと原因を把握し解決策を考え、行動に移しましょう。利用者様がより良い施設での生活を送るためにそして介護士がより良い環境で働くために。
この記事の筆者、だんご虫と申します。介護施設に十数年。介護福祉士として10年程働いています。介護施設の人間関係は熟知しています。そんな私が解説していきます。
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お互いの仕事を理解していない
一つ目の要因として、介護士は看護師の仕事、看護師は介護士の仕事を理解していない事です。ある程度は理解しています。しかし完全には理解していません。
例えば、看護師が医務室で何をしているのか、大体の介護士は理解していません。中には何もしていないのではないか?と思っている介護士の方もいます。
しかし、そうではありません。カルテを作成したり、薬の仕分けをしたり、資料を作ったり、その他にも色々な事を行っています。
実際に介護士と交わる仕事は、浣腸や摘便などの“便出し”かケガなどの傷の処置ぐらいですね。単純に考えると、それしか仕事をしていないと思われます。
では、何故そう思われるのでしょうか?
看護師の仕事を知らないからです。知ろうともしません。極端に言うと暇と思われたりもしています。しかし先程も書きましたがそうではないのです。
逆もまたしかりで、看護師は介護士の仕事の全てを知っているわけではありません。毎日何人、何回の利用者様の移乗介助をしているのか知りません。何人、何回の排泄介助をしているのか把握していません。洗濯や掃除、更にはレクレーションやリハビリなどの業務も行っています。
このように、お互いが全てを理解していないので、わだかまりが生じてしまいます。たまたま雑談していたり休憩をしていると、そこだけ切り取り暇と思われてしまうのです。一方が忙しくしている時に、一方が休憩をしていると気持ち的に良くは思いません。その部分だけ切り取り、記憶されてしまうのです。
介護士と看護師は仕事の流れが違うので忙しい時間帯も違います。お互いの仕事を理解しておけば少なからず「暇をしている」とは思いません。
だから、お互いの仕事をよく理解することがとても重要なのです。
介護士の方が下に見られている
世間一般的には看護師が介護士を下に見ているといったイメージがあります。あくまでもイメージです。では、何故そういう風に思われているのでしょうか?
医療の現場では、介護士は看護師などの医療専門職の次に位置しています。実際に介護士は「看護助手」とも呼ばれることがあります。そういう構図が看護師が介護士を下に見てしまう要因ではないかと感じます。そういう古い風習みたいな物が邪魔をしているのです。
看護師さんは医療関係で働いていた経歴がある方が殆どだと思います。意識的ではないにしろそういう風に動いてしまうのは仕方の無いことのような気もします。
しかし、どうでしょう?介護施設は医療の現場ではありませんよね。福祉、介護の現場です。実際には上も下もないのです。そういう位置づけを明記した物もないでしょう。決して介護士は看護師の助手ではないのです。そういう風に思っている介護士は、いないはずです。
そして、看護師として働くのは免許が必須です。免許が無ければ看護師という立場では働けません。それに引き換え、介護士という職業は免許が無くても介護士として働く事ができます。実際に医療的知識の面では看護師の方が圧倒的に上です。
ですから看護師にはプライドがあります。そういうプライドも邪魔をしているように感じます。看護師自身が介護士を下に見ているという意識は無いのかも知れませんが必然的にそういう構図が成り立っているのではないでしょうか。
上も下もないのですが、介護施設では看護師が介護士に指示することはあっても、介護士が看護師に指示することは殆どありません。介護士は看護師に「指示」ではなく「お願いする」という感覚です。
介護士は自然に下手になってしまいます。それでは介護士は面白くありませんよね。そういう潜在意識的な部分でわだかまりが出来、仲が悪くなってくるのです。
もちろん、看護師のみなさまが介護士を下に見ているような意識で働いているのではないと思います。積極的に、協力的に働いている看護師さんも沢山いらっしゃいます。
明確なルールがない
この仕事は看護師がする、この仕事は介護士がするというような明確なルールが存在しません。役割分担が無いに等しいのです。”暗黙の了解”的な部分が多いように感じます。
基本的に医療的な事は介護士は殆どできません。しかし、看護師は介護士の仕事内容はできます。そのことにより「何故、看護師はしてくれないの?」と思われたりします。
例えば、オムツ交換です。「〇〇さん、便が出ているからオムツを替えて」と看護師が指示します。しかし介護士は「看護師さんのあなたにもオムツ交換はできますよね」と心の中で思いながらオムツ交換をします。
極端な場合、看護師さんに「ここに落ちているゴミを拾って」と言われる現場も聞いたことがあります。普通に考えるとどっちの仕事でもないので、気づいた人が拾えばいいだけですよね。そんなことまで指示されると仲が悪くなるのは当たり前です。
もちろん看護師さんのみなさんがそうではありません。積極的にオムツ交換をしてくれたり、何も言わずにゴミを拾ってくれる看護師さんもいらっしゃいます。
解決策
一番良いのは、お互いにわかり合える、協力することです。そしてある程度のルールも必要だと感じます。両者が話し合ってルールを作ることです。一方的にルールを作っても何の解決にもなりません。管理者が介入してきて勝手にルールを作っても問題解決にはなりません。介護士と看護師が話し合ってルールを作ることです。
そして何故か、仲が悪いということが施設単位で問題になることはありません。もっと問題視しなければいけないことだと思います。施設全体で考える必要があるのです。何が悪いのか?どうしたら良いのかをしっかりと考えることが重要になります。
介護施設はチームです。介護士と看護師は必ず連携しなければいけません。チームという意識付けをもっと行わなければいけません。お互いが協力し合えるように心掛けなければいけません。
まとめ
・お互いの仕事を理解していない
・介護士の方が下に見られている
・明確なルールがない
何故介護士と看護師は仲が悪いの?という内容を3つのテーマで解説いたしました。そして解決策も解説いたしました。
仲が良い悪いは施設の運営の仕方、介護士と看護師の人間性に依存します。仲が良い施設は、運営的にしっかりとしている施設と言えるでしょう。逆に仲が悪い施設は、管理者の目が行き届いておらず問題を放置している可能性があります。
介護施設の人間関係には色々な問題があります。介護士、看護師、利用者様など人と人との関わりが深い職業です。
基本的には介護施設は、利用者様ファーストです。介護士と看護師の仲が悪ければ利用者様に悪影響を及ぼしかねません。こういう問題を軽視せずにしっかりと対応していって下さい。
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