介護施設では移乗介助は日常茶飯事です
ベッド臥床、入浴、トイレなど移乗介助は常に何処かで行われています
それだけに事故やケガが多い傾向にあります
間違った移乗介助による事故やケガを防ぐ為に記事を読んで頂くと幸いです
YouTubeチャンネル開設いたしました。
腕や足を手で掴む
腕や足を、手で “わしづかみ” にしてはいけません
通常の移乗介助は、前や後ろから腕を使い抱きかかえたりします
決して手で掴んではいけません
切創や皮下出血の原因になります
そして利用者様はとても痛いです
手で掴んでいるだけなので落下の危険性も高まります
痛いし、傷つけることは少し考えれば分かる事です
★では、何故このような事を行ってしまうのでしょうか?
面倒臭がる人や、力があり力任せにする人に見られがちです
経験不足とかそういう問題ではありません
完全に手抜きです
痛くなくても、傷にならなくても、利用者様は雑に扱われているように感じます
基本に忠実に、その人に合った移乗介助を行って下さい
勢いよく目的地に着地する
着地地点に勢いよく着地してはいけません
ゆっくりと、負担にならないように着地しましょう
勢いよく着地すると、どういう事が起きるのでしょうか?
骨折や打撲、表皮剥離や切創などが起こります
高齢者はとても骨がもろくなっています
少しの衝撃で骨折に至る方も沢山いらっしゃいます
勢いよく着地する事だけではなく、基本的に勢いを付けて激しく介助することは止めて下さい
★では、何故このような事を行ってしまうのでしょうか?
仕事が雑だからです。流れ作業のようになっています
そしてもう一つ、力の無い人です
力の無い人が無理をして1人で移乗介助すると、利用者様の体重を支えきれず勢いよく落とすような感じになってしまいます
そういう時は無理をする必要は全くありません、助けを呼んで下さい
1名での介助に自信がないなら2名で介助すればよいのです
介護士は人のお世話をする仕事です
ケガをさせては元も子もありません
麻痺側や拘縮した部分に負担を掛ける
麻痺側や拘縮した部分に負担を掛けることはいけません
こちらは、骨折や脱臼の危険性があります
麻痺側は動かしてないので拘縮がある事が多いです
こういう利用者様は関節可動域がとても狭くなっています
可動域以上に動かそうとすると骨折や脱臼に繋がります
利用者様の特徴として関節可動域はしっかりと把握しておく必要があります
※例えば点線の位置までしか腕が動かないとすると、それ以上無理に腕を上げれば骨折や脱臼が起こる場合があります
★では、何故このような事を行ってしまうのでしょうか?
知識の無い人が無理に動かそうとしてこのような事を行ってしまいます
利用者様、個人個人身体能力が違います
まずは利用者様の事を知ることです
関節可動域 / ROM(かんせつかどういき)
各関節が運動を行う際の生理的な運動範囲。
出典:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト
身体の各関節が、傷害などが起きないで生理的に運動することができる範囲(角度)のことを示します。
いきなり介助に入る
介助に入る前は必ず利用者様に声掛けして下さい
いきなり介助に入るとビックリしてしまいます
声掛けすると利用者様も介助をしてもらう態勢に入ります。身構えます
それだけでも介助中の事故は減ります
声掛けは介護の基本中の基本です
いきなり大声で声掛けすると、それはそれでビックリしますので適度な声の大きさで声掛けしましょう
まとめ
・腕や足を手で掴む
・勢いよく目的地に着地する
・ 麻痺側や拘縮した部分に負担を掛ける
・ いきなり介助に入る
ポイントを4つ挙げました
その他にも、やってはいけないことはあると思います
経験を積みながら覚えていくことも沢山あります
しかし、経験が浅くても事故やケガを最小限に防ぐことは出来ます
思考停止しない事です。考えながら行動する事です
「こうしたら事故を起こすのではないか」 「この方法ではケガをしてしまう」 「この利用者様は、こうしてはいけない」など色々な事を考える必要があります
介護はケガをさせない、事故を起こさない事が基本です
思いがけない事故やケガもありますが、少しでも減らすために是非参考にして下さい
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