介護施設で働く際や在宅介護で介護をするにあたり介護技術というのは必要不可欠になってきます。この記事は介助技術的な内容ではなく、基本的な介護技術を早く覚える方法を解説します。
移乗介助、排泄介助、食事介助など介護技術を活かす場面は多岐に渡ります。なるべく短期間で覚える為にはどうしたら良いのか?的確で事故を減らす介助を行うためにすることなどを解説。
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利用者様を理解する
まずは、利用者様の身体状況や性格などを理解しておきましょう。介護施設には様々な方がおられます。その人その人のことをしっかりと覚えておく必要があります。
身体状況を把握する
介護施設には、様々な身体状況の利用者様が入居されています。そして全ての利用者様を覚えなければいけません。
四肢麻痺の方、片麻痺の方、上肢麻痺や下肢麻痺の方、それぞれ介助方法は異なります。全く違う事はないかと思いますが、細かい部分で言うと違いがでてきます。なのでそれぞれの利用者様の身体状況を把握する必要があるのです。
事故やケガを最小限に防ぐ為、介護士自身の為にも身体状況を理解しておくのはとても大切な事になってきます。
移乗介助を例に挙げます。片麻痺の方や四肢麻痺の方など麻痺のある利用者様は可動域がとても狭い方が存在いたします。腕に麻痺のある方で例えると、殆ど可動域が無い方、少ししか腕が上がらない方、半分ぐらいしか腕が上がらない方など人によっても可動域が違います。
可動域を把握していないとどうなるでしょうか?そうです、骨折や脱臼などの事故に繋がります。腕を例に挙げましたが、足でも同じです。無理に可動域以上の負荷を与えてしまうと事故やケガの原因になるのです。
事故やケガを最小限に抑える為には身体状況の把握は必須になります。そして介護者の身体にも安全でケガの少ない介助を行う要素となるのです。
介護者のケガが起こる要因に、不意に起こる事に対する急激な負荷が原因となることは少なくありません。身体状況を把握することにより、思ってもいないことが起こる事を最小限に食い止めることができるでしょう。事故が起こりそうなときに利用者様の腕が上がらない、足が動かないという情報が頭の中に無ければ、介護者の身体がついて行けない状況になることもあります。そして共倒れしてしまうのです。
日々の体調を見逃さない
私たちも要介護者も日々の体調の変化があります。熱発の有無や意識レベルの低下などを見逃してはいけません。体調が悪ければ動きが悪くなったり、反応が鈍くなったりいたします。見逃すと事故やケガの原因となることがありますので注意しなければなりません。
例えば食事介助です。私たちも同様ですが体調が悪いと食欲がない事が多々あります。利用者様の中には自分で食事が摂取出来ない方もいらっしゃいます。そういう場合は介護者が食事介助しなければなりません。「食べれない」と自分で言える利用者様なら食欲が無く、食べれないと分かります。しかし、喋れない利用者様ならどうでしょう?介護者が判断しなければいけません。判断を誤り、食事を次々と提供してしまうと窒息や嘔吐などの恐れがあります。普段からの食べる速度や嚥下状態を把握し違いが分かるようにしておきましょう。
移乗介助も同じで体調が悪ければ、立ちが悪かったり体幹が取れなくなったりします。そのまま介助を続けると転倒や転落、ずり落ちなどの事故を招く可能性があるのです。他にも顔面紅潮が見られれば高熱がある事が分かります。高熱があればベッドから移乗することはしませんし無理に動かす事はしません。このように移乗する前に体調不良と判断できれば事故を未然に防ぐことができます。
事故を最小限に防ぐ為には毎日の観察が必要です。体調の良いときも観察する必要があります。体調が良いときの事を覚えていないと、体調が悪い、普段と違う、と判断出来ないからです。普段からの顔色や仕草など日頃から観察する事が重要になってきます。介護において観察する事は最重要事項といって良いぐらい大切になります。
この様なことから、利用者様を理解することは介護技術が上がることに繋がるのです。知るのと知らないとでは大違いです。
職員をよく観察する
他の職員や先輩方の動きをよく見ましょう。そして分からない事があれば積極的に質問して下さい。見たり聞いたりするだけでなく、しっかりと吸収し実践に移す努力を行いましょう。
観察し吸収する
未経験の方や初心者の方にとっては他の職員の動きをよく見て自分の物にするということは必須です。基本的な介護技術を学ぶのにピッタリです。先輩方は色々な事を知っています。安全で安心な介助方法、利用者様の癖や、その人ならではの特別な行動などあらゆる事を熟知しています。
しかし、先輩方みんながそうではありません。介護歴が長いだけで基本が出来てない人もいます。腕の力だけで無理矢理移乗介助したり、利用者様に対して横柄な態度をとったりする方も多少なりとも存在します。いち早く介護技術を習得したいのであれば人選は必要です。適当に介助している人と真剣に業務に取り組んでいる人を判断しなくてはいけません。もちろん真剣に業務に取り組み、利用者様の負担にならないような介護を行っている人を見習いましょう。
普段からの行動を見ていれば分かると思います。利用者様の観察も必要ですが、職員への観察も重視して下さい。間違った事を学ぶと事故やケガの原因になります。そしてあなたが見本にならなければいけなくなった時に後輩は間違った事を覚えるでしょう。慎重な人選をいたしましょう。
そして、「この人なら大丈夫」と判断したら良く観察し介護技術を習得しましょう。
分からなければ聞く
分からなければ何でも聞くことは大切です。その場しのぎの介護はやめましょう。基本的には、調べる時間があれば自分で調べることです。しかし、その場その瞬間で対応しなければ行けないことは、その場で聞くべきではないでしょうか。間違った対応をしてしまうと間違った結果が生まれてしまいます。自己判断が困難な場合は誰かに聞きましょう。そしてそれをしっかりと覚え次にいかしましょう。
聞くことは恥ずかしいことではありません。未経験、初心者の方ならば聞いて当たり前です。聞いて迷惑がられたらその人には聞く価値がありません。教育する気がありません。教えてくれたとしても答えが正解なのかは疑問に思えます。
聞く相手も人選が必要です。間違った事を覚えれば、ずっと間違ったことをしてしまいます。そして事故やケガを引き起こすのです。しっかりと見極め「この人なら大丈夫」と思える人に対し質問しましょう。
考えながら行動する
常に仕事の事を考えながら行動して下さい。邪念は捨てることです。思考停止にならず考えながら仕事を行えば、より短期間で効果的な介護を行うことができるでしょう。
思考停止にならない
思考停止にならないということは、常に考えながら行動するということです。先程も書きましたが常に観察しながらその時、その人に合った介護を行って下さい。何も考えないで介護すると何も感じる事は出来ません。何も観えてきません。プライベートな事など他の事も考えない事です。仕事に集中し良く観察し行動しましょう。
集中し考える事により、観る事ができます。感じる事ができます。思考停止していると思いもよらない事故も起こしかねません。
人のお世話をする仕事です。日々変わる体調や変化を感じることができればとても優秀な介護士になれるでしょう。考えながら仕事をすればとても覚えが早いです。吸収力は半端ないです。
「そんな集中力ないよ」という声が聞こえそうですが、大丈夫です。常に考える事を意識して仕事を行って下さい。慣れが必要です。日々努力すればすぐに慣れるでしょう。
事故が起こる事を想定する
常に、こういう事をすればこういう事が起きると言うことを考えながら介護して下さい。気を抜かないということはとても重要です。事故の中には起きるべくして起きる事故があります。目を離していた、決まりを守っていなかった、うっかりしていた、などは起きるべくして起きた事故です。
事故が起きることを想定しておけば事故は最小限に抑えられます。介護施設といえども危険な場所はあります。しかし、危険を想定しておけば極めて安全な介護が可能になります。注意深く対応すれば事故は最低限に防げます。
例えば、歩行や車椅子走行などを自身で行っている利用者様がいれば通路には障害物を置くことはしない方が良いでしょう。しかし致し方なく置かなければいけない場合もあります。そういう時には見守りが必要です。ぶつかればケガをすることが想定されますよね。想定できれば何らかの対処ができます。職員が誘導する、利用者様に注意を促すなどの対処ができます。
常に観察意識を持ちアンテナを張って仕事を行って下さい。
まとめ
・利用者様を理解する
・職員をよく観察する
・考えながら行動する
3つのテーマで解説していきました
3つには共通点があります。よく観察するという点です。良く観察し自分に落とし込み、実践に移しましょう。
そして、情報共有を怠らない事が重要です。申し送り事項があればしっかりと目を通し覚えておきましょう。情報を共有することにより利用者様の状況が分かることがあります。事故を未然に防ぐ事、体調不良者の対応も的確に行うことができるでしょう。報連相は怠らないで下さい。
間違った認識は、間違った結果をもたらします。しっかりと利用者様を理解し先輩に学び、より良い介護に努めましょう。それが基本的な介護技術を覚えるポイントです。集中し考えながら行動すれば素早く介護技術を習得することができるでしょう。
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